暑い季節、熱中症と脱水症の季節ですね。夏場には水分補給が必要ですが何年か前から塩分補給がとっても強調されています。塩あめ、塩キャラメル、塩分タブレット。では、水分、塩分、どれぐらい必要なのでしょうか?
1.水分補給は最低2リットル
人間の尿は体の老廃物を排出します。このため一日最低必要な尿の量が計算されています。これを必要最低尿量といいますが体重60キロの人で720mlと計算されます。最低ですので余裕を持つ必要があり、健康的な成人の一日尿量は1000~1500mlと言われます。また不感蒸泄といって体の表面や呼吸時に出ていく水分が1日900ml前後とされます。不感蒸泄は環境で大きく変化します。これを合計すると1日2リットルは必要という話になるのです。汗をかいた場合は更にその分も必要ですので3リットルとかになります。
2.塩分摂取はほとんど必要ない
日本人は平均的に塩分摂取が多く1日12~13gぐらい取っていると言われます。高血圧の原因の一つですね。厚生労働省は1日の塩分摂取を6g以下を推奨中です。更に言えば人間が1日に必要とする塩分量は成人で2g程度とされます。つまり日本人は余程の事が無い限り塩分不足にはなりません。過度な塩分摂取は高血圧の元です。
3.塩分摂取が必要になる時とは
大量の発汗がある時や食事がとれない時となります。真夏の屋外長時間労働、食欲が全くない、嘔吐・下痢などですね。1~2時間程度の草むしりではまず必要ありません。
4.スポーツドリンクは薄める?
熱中症の予防や回復にはスポーツドリンクが有効です。普通の水よりも吸収が良いためです。一時期これを薄めて飲めと言っていた方がいるようですが間違いです。スポーツドリンクは最も吸収が良い濃度に調整されています。薄めると吸収率が落ちます。スポーツドリンクを二倍に薄めて塩を入れる事を推奨している人もいますが既に書いたように塩分過剰摂取の方が問題でしょう。スポーツドリンクの問題点は糖分が多い事ですが熱中症で食欲がない場合はむしろ好都合とも言えます。体重が気になる方、糖尿病の方は注意ですが。この場合は糖分が入っていないスポーツドリンクが開発されていますのでそちらを使用すればよいでしょう。
5.水分の取り過ぎは体に悪い?
水分を取り過ぎると低ナトリウム血症となります。ただし、これは食事をしない、あるいは塩を全くとらない場合です。アメリカ海兵隊の新兵訓練キャンブはかなり暑い所での訓練のようですが、熱中症予防のため1日8リットルの摂取が強制だそうです。しかも飲まされるのは水道水!これだけ飲んでも食事がしっかり取れていれば問題ないという話になります。
6.飲むのは何がいいの?
アメリカ海兵隊のように水道水で充分です。ですが、味を考えると水道水だけでは辛いのも事実。酒類はアルコールの利尿作用がありますのであまり水分補給にはなりません。同様にカフェインが多い物も過度な摂取はおすすめできません。コーヒーは控えめに。お茶類は、現実問題としてはあまり問題ないとも言われますが、医学的にはカフェインゼロの麦茶、カフェイン控えめのほうじ茶が推奨でしょう。勿論、スポーツドリンクは有効です。糖尿病と体重過多の方は控えめに。
7.まとめ
- 水分は1日2リットル以上
- 塩分は食事だけで充分
- スポーツドリンクは薄めずに(カロリー注意)
- 水が飲めないならば病院で点滴してもらいましょう!
稲岡内科小児科
(苫小牧市北光町 2-7-10)
TEL:0144-72-5141
熱中症での点滴も行っております。


