【医師ブログ07】吸血鬼は感染症?

医師ブログ

『吸血鬼ドラキュラ』は
ブラム・ストーカー作の小説です。

モデルとなったのは
現在のルーマニアの場所にあった
ワラキア公国の君主ヴラド・ツェペシュ
とされます。

ですが、吸血鬼伝説の元となった
病気があるのはご存じでしょうか?

1.狂犬病という病気

狂犬病という病気に付いては
多くの方がご存じだと思います。


特に愛犬家の方は義務化されている
狂犬病予防注射で名前を知っている
でしょう。

狂犬病の犬に嚙まれた場合、
ワクチンを使用しなければ発症率100%、
発症した場合の死亡率も99%以上と
されます。


恐ろしい病気ですが、
ここしばらく日本国内での報告は
ありません。

ただ、北米や中国などでは報告があり、
近年ではフィリピンで犬に噛まれた
日本人が帰国後に発症した例
もあるようです。

海外旅行では要注意でしょう。

2.狂犬病の症状

かぜのような症状から
知覚過敏や不安症状で始まり、
興奮しやすくなり攻撃的になると
されます。


腱反射や瞳孔反射の亢進なども認められ、
最終的には脳神経麻痺、全身筋肉の
麻痺となり死に至るとされます。

特徴的とされるのは
『恐水症』と言われる症状で、
液体を飲み込むと喉の筋肉が痙攣して
強い痛みを感じるため
水を恐れるようになるとされます。

3.吸血鬼伝説と狂犬病

伝説の吸血鬼とはどんなものでしょうか?

  • 異様に力が強く、凶暴で、人に噛みついて血を啜る。
  • 人の血を吸うことで仲間を増やす。
  • 蝙蝠や狼を配下として従えている。

弱点は日光と水、ニンニク、
そして十字架、などという所でしょうか。

実は、これらの多くは
狂犬病で説明できてしまいます。

狂犬病患者に関わらず興奮した人間は
リミッターが外れますから火事場の
馬鹿力的な異様な筋力を発揮します。

見境がありませんから
人に噛みつくことも多かったでしょう。

狼はイヌ科の動物で犬と同様に
狂犬病を媒介します。

蝙蝠には血を吸うものがあり、
狂犬病を媒介する事もあります。

知覚過敏と瞳孔反射の亢進で
明るい光をいやがります。

同じく知覚過敏で先端恐怖症になり、
十字架など尖ったものを嫌います。

強い臭いも苦手になり
ニンニクもダメになるようです。

狂犬病は患獣の唾液が体内に入ることで
感染します。

狂犬病患者が噛みついて感染した
明確な例は確認されていないようですが、
可能性は示唆されています。

4.吸血鬼と狂犬病の歴史背景

ワラキア公ヴラド、別名『串刺し公』は
十五世紀の人です。


残虐さで有名であり、
その伝説は長く語り継がれました。

また、十八世紀に東欧、
ハンガリーからルーマニアの地域で
狼由来の狂犬病が大流行したことがあり、
これがヴラド公の伝説と結びついたのが
吸血鬼伝説の始まりと推測されています。

ヴラド公は
『ドラゴンの子』との異名があり、
ドラキュラはそれの訛りだとも。

5.銀皮症

吸血鬼伝説の元になった病気には
もう一つ「銀皮症」という病気があります。

金属の銀を継続的に摂取していると
皮膚に銀が蓄積して青白い色に
なるのです。

中世ヨーロッパでは貴族の血統は
高貴な血筋とされ、俗に『蒼き血統』、
英語では『ブルーブラッド』と
呼ばれました。


勿論架空の物ですが、
一部貴族でこれを実践しようと
故意に銀を摂取して肌を蒼くする例が
あったようです。

かなり極端な例ですが、そのような
貴族は貴族主義のゴリゴリの人でしたので
平民に対して極めて冷酷なことが
多かったといいます。

吸血鬼はしばしば
青白い肌の持ち主として表現されますが、
銀皮症患者がその本とも言われます。

6.まとめ

伝説の裏には結構、病気があります。

今回は皆様の健康には
全く関係ない話で失礼いたします。

愛犬家の方は愛犬の狂犬病予防接種は
確実に行いましょう!

次回もお楽しみに!

稲岡内科小児科

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